寒くなると、いつも母のこの言葉を思い出します。
「奈良のお水取りが終わらないと、春が来ないよ。」と小さい頃、教えてくれました。
2020年はいつあるんだろう?
昔から続いているお水取りは、どんな由来や意味があるのかどんな行事なのか、2020年の日程も一緒に調べてみましたので、ぜひ最後までご覧ください。
お水取りとは?
このお水取りには、1260年以上続く長い歴史があります。
お水取りは、奈良県にある東大寺二月堂で毎年行われる行の一つです。
修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけんか)」と言います。
ちなみに、法会(ほうえ)って、仏教において仏法を説くためや供養を行うための僧侶や檀信徒の集まりのことなんだって。
お水取りの由来や意味は?
「お水取り」の由来は、狭の国(現在の福井県)の遠敷明神が、魚取りに夢中になって、二月堂への参集に遅れため、そのお詫びに二月堂のほとりに清水を涌き出ださせ、観音さまに奉ったと伝えられています。
これが、お水取りの始まりです。
お水取りはどんなことしているの?
お水取りの行事自体は、僧侶が行列を組んでお水を汲むのが目的です。
先頭には灑水器と散杖を持った咒師(しゅし)が立ち、牛玉杖と法螺貝を携えた北二、以下5人の練行衆が後に続きます。
13日の午前1時になると、南出仕口を出た咒師童子を抱えた咒師松明が行列を先導して、汲んだ水を運ぶ閼伽桶が若狭井と呼ばれる閼伽井屋へと向かいます。
行事の最中には篝火と奏楽があって、堂童子や御幣を捧げて持つ警護の講社達、そして閼伽桶を運ぶ庄駈士も同道します。
お水取りの一行は、静かにゆっくりと石段を降りる形で閼伽井屋へと向かいます。
その際には、途中で見掛ける興成神社に祈りを捧げるのもお決まりで、定番の流れとなっています。
お水取りが行われる井戸は、閼伽井屋という特別な建物の中にあって、関係者も当役以外は入れないようになっています。
水は二荷ずつ、閼伽井屋と二月堂の間を3往復して、いわゆるお香水が内陣に納められるのが一連の行事です。
お水取りを終えた後は、閼伽井屋に向かった練行衆達が行列を組み直し、二月堂へと戻って中断中の後夜の時を再開します。
2020年の日程はいつ?
修二会は 毎年2月から始まって、「お松明」や「お水取り」は、3月1日~3月14日で行われます。
お水取りは、正確に言うと、13日(水)の午前1時過ぎ頃から始まるのよ。
お松明とお水取り行事日程
2020年のお松明とお水取り行事の日程をまとめましたので、参考にしてください。
- 3月 1日(金)~11日(月):19:00~ お松明 約20分間
- 3月12日(火) :19:30~ お松明 約45分間
- 3月13日(水) : 1:30~ お水取り
- 3月13日(水) :19:00~ お松明 約20分間
- 3月14日(木) :18:30~ 約10分間
東大寺のアクセス情報
電車とバスの場合
JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から市内循環バス(外回り)「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
または市内循環バス(外回り)「氷室神社・国立博物館」バス停下車、徒歩約5分
●神戸・三宮から(最速時間)
阪神なんば線「三宮」~近鉄奈良線「奈良駅」約80分
阪神なんば線「三宮」~近鉄奈良線「大阪難波駅」約40分
近鉄奈良線「大阪難波駅」~近鉄奈良線「奈良駅」約40分
車の場合
名神高速道「京都南IC」から京奈和自動車道経由約60分
京奈和自動車道「木津IC」から南へ約7km
第2阪奈有料道路「宝来IC」から東へ約8km
西名阪自動車道「天理IC」からR169経由北へ約10km
駐車場について
徒歩の場合
東大寺のお水取りのまとめ
とても大掛かりで、奈良時代からずっと続いている特別な行事だということが分かりました。
豊作など様々な願いがかけられており、この行事が終わると新しい春がやってくると思うと大変重みのある、ありがたい儀式ですね。
お水取りは誰でも見学できます。
ただし注意がありますが。写真を撮る際のフラッシュや、奇声を発することは厳禁されていますので、ご注意下さい。
深夜は、かなり冷え込みますので寒さ対策を十分にして、風邪など引かないようにしてくださいね。